アニマルブログ
2012年4月22日 日曜日
コラム 犬の椎間板ヘルニア
ダックスフンド、トイプードル、シーズー、ラサ・アプソ、ペキニーズ、コーギー、ビーグルのご家族に是非知っておいてもらいたい病気の一つが、「椎間板ヘルニア」です。
日本でとても人気の高いこれらの犬種は椎間板ヘルニアのリスクが非常に高く、早期発見、早期治療がなによりも大切な病気なので、ご家族はこの病気の兆候や治療法を知っておくとよいですね。
どんな病気?
椎間板ヘルニアとは、背骨を構成している椎間板というクッションが突然飛び出して、脊髄を圧迫する病気です。圧迫された位置から下は神経が通わないので麻痺が起こります。
例えば腰の部位で圧迫が起こると、腰から下の下半身麻痺になります。強い圧迫が継続し、完全麻痺に陥ってしまうと、後肢が動かないほか、排尿や排便のコントロールもとれなくなり、生涯車いすと介護が必要になる怖い病気です。
日本では、平均年齢3歳から6歳の若いダックスフンドに最も多く認められます。
遺伝的に早い段階で椎間板が変性を起こすことによるもので、運動量や肥満度などはそれほど関係ないと考えられています。
症状は?
椎間板による神経の圧迫の程度によってさまざまです。軽度の圧迫であれば、痛みだけで明らかな神経症状は出ないことがあります。痛みがひどくなると、 食欲がない、元気がない、震えている、動きたがらない、階段やソファーの上り下りを嫌がる、などの症状が出てきます。さらに圧迫が重度になると、歩くときに腰がふらつく、突然腰が抜けたように立てなくなるといった明らかな麻痺の症状が出るようになります。
強い圧迫が継続し、完全麻痺に陥ってしまうと、上記のように、後肢が動かないほか、排尿や排便のコントロールもとれなくなります。
治療法は?
症状が軽度であれば、内科的な治療と安静によって症状を緩和することも可能です。手術は免れますが、再発する危険性は常にあります。
症状が急激に進行して下半身麻痺に移行する場合は緊急手術が必要になります。神経の圧迫をいち早く解除しないと、永久的に下半身が麻痺してしまう可能性があるからです。
手術を行えば、その後再発する可能性はほとんどありません。
椎間板ヘルニアの手術は熟練した外科医が行うもので、動物病院によっては専門病院を紹介することもあります。
どうぶつのリハビリテーションの技術が向上している中、術後のリハビリプログラムやプールを使ったエクササイズなどで、以前よりもずっと早い術後の回復が可能となっています。
予防法は?
残念ながら確固とした予防法はありません。毎日注意深くわが子を見守って、いざ症状が現れた時には迅速にかかりつけの動物病院へ行きましょう。夜間に症状が現れても、慌てることがないよう、夜間病院や緊急病院の連絡先を控えておくといいですね。
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